EU:反SLAPP指令の国内法化が大幅に遅れ、報道の自由監視団体が早急な実施を要求
Shutterstock (purchased)
[EU: As deadline passes, we call urgent implementation of Anti-SLAPP Directive] 2026年5月7日
[非公式英文和訳:ビジネスと人権センター]
[欧州連合(EU)は2024年4月、悪意ある不当な訴訟(SLAPP)からジャーナリストやメディアを保護するための「EU反SLAPP指令」を採択した。この指令は、根拠のない訴訟を早期に退けるための手続きや被害者保護などの基準を定めたものである。各加盟国がこれを国内法に反映させる期限は2026年5月7日とされていたが、実施の遅れが深刻な課題として浮上している。]
EU反SLAPP指令は重要な前進をもたらしたものの、各国レベルでの実施状況は依然として憂慮すべき水準にある。一部に前向きな動きが見られる一方、大多数の加盟国は対応が大幅に遅れており、まったく進展のない国も存在する。
本日、報道の自由に対する侵害の監視・支援を行う欧州のプラットフォーム「MFRR(メディアの自由迅速対応)」の各パートナー団体は、すべてのEU加盟国に向けて緊急声明を発表した。声明では、各国の立法手続きを加速させ、国内措置が指令の条文と精神の双方を完全に反映したものとなるよう求めている。さらに、EUおよび欧州評議会の勧告に定められた実体的かつ手続き的な保護措置を導入し、メディアの自由を守る確固たる姿勢を示すよう強く訴えている。[...]
しかし、指令を実効性ある形で国内法化しようとする各国の意欲は、総じて限定的と言わざるを得ない。[...] Anti-SLAPP Monitor(欧州反SLAPPモニター)のデータによれば、実施に向けて具体的に動き出している国はごく一部にとどまる。
フランスとマルタは、指令を「部分的に実施した」数少ない国として挙げられる。ただし、そのプロセスは必ずしも理想的なものではなかった。[...]
ベルギー、ドイツ、オランダを含む大半の加盟国は、国内法化の手続きを正式に「開始」している。[...] しかし多くの国において、現在審議されている法案が指令の求める最低限の基準を満たすにとどまるのではないかという懸念は払拭されていない。[...]
そうした状況のなかで、ベルギーの法案は、指令の最低基準を超えた保護措置を含む先進的な国内法化の事例として注目されている。[...]
一方、イタリアやハンガリーをはじめとする複数の国では、国内法化の手続き自体が未着手のままである。[...]
ポルトガルなど一部の国においては、公開されている情報が限られており、実施状況の正確な把握すら困難な状態が続いている。
[...]