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NGOの反論

2026年2月5日

著者:
Julia Hovenier, BankTrack

インド:JSWスチール社のオディシャ州石炭事業が国際人権基準に抵触の恐れがあると国連特別報告者が警告

[Eight UN officials warn JSW Steel may be violating human rights law] 2026年2月6日

[非公式英文和訳:ビジネスと人権センター]

同プロジェクトに融資している銀行に対し、国連の人権原則に違反する可能性を警告。JSWスチールは回答せず。

2025年11月、国連の専門家ら8人の専門家がインドの鉄鋼大手JSWスチール社に宛てて書簡を送付し、2026年2月にその内容が公表された。書簡では、同社子会社が進めるJSW Utkal Steel Ltd(JUSL)プロジェクト――インド東部オディシャ州で建設が計画されている石炭火力併設の製鉄所計画――について、農村や森林で生活するコミュニティや先住民族の権利を侵害している可能性があるとして、深刻な懸念が示された(1)。専門家らは書簡の中で、同社に対し人権デューディリジェンスや関連方針について60日以内に説明するよう求めた。しかし、JSWスチール社は期限内に回答しなかった

金融機関の環境・社会影響を監視する国際NGOバンクトラックは、この事態を受けてJSWスチール社に資金を提供している22の金融機関に通知を行った。対象にはBNPパリバ、スタンダードチャータード銀行、DBS銀行などが含まれる。バンクトラックは、これらの金融機関がJSWスチール社への融資を継続し、オディシャ州プロジェクトへの資金提供をやめなければ、国際的な人権基準への不遵守のリスクを負う可能性があると警告した。

書簡では、オディシャ州で計画されている石炭火力による自家発電設備を備えた製鉄所の建設が、地域住民の食料、水、健康、クリーンで持続可能な環境、そして文化的権利を脅かすおそれがあるとして深い懸念が示された。これらの権利は、多くの国際的な人権基準に定められており、JSWスチール社、その融資銀行、そしてインド政府はいずれもこれらの人権基準の尊重を表明している。(2)また、このプロジェクトの推進にあたり、先住民族の権利である「自由意思による事前かつ十分な情報に基づく同意」(FPIC)が侵害された可能性も指摘されている。

国連専門家の書簡には次のように記されている。

「したがって、遺憾ながら、貴社が自社の事業活動が人権侵害につながらないことを確保するための十分な人権デュー・ディリジェンスを実施していない可能性があることを指摘せざるを得ない。これは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)に示された企業の責任の履行が不十分であることを示唆している」

バンクトラックと地域の市民団体は2025年3月にも、同じ22の銀行に対し、このJUSLプロジェクトへの資金提供を行わないよう求めていた(3)。しかし、回答した銀行は半数にとどまり、いずれの銀行も同プロジェクトへの融資停止を表明しなかった。さらに2025年5月には、バンクトラックとアンチ・ジンダル運動(Anti-Jindal Movement)が、みずほ銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友銀行(SMBC)、オーストラリアのANZ銀行の4行に対し苦情申し立てを行い、JSWスチールへの融資が「国連ビジネスと人権指導原則」(UNGPs)に違反する可能性を指摘した。このうち日本の3行(みずほ、MUFG、SMBC)に対する案件は現在も審査中である。一方、ANZ銀行に対する案件は、同行の内部調査で内部方針違反は確認されなかったとして終了した。

バンクトラックで銀行・鉄鋼分野のキャンペーン責任者を務めるジュリア・ホーフェニア氏は次のように述べた。「国連の専門家8人からの書簡にJSWスチールが回答していないという事実がすべてを物語っている。銀行は手遅れになる前に、JUSLプロジェクトへの融資から撤退すべきだ。」

注記

  1. 今回の書簡は、JSW Utkal Steel Ltd(JUSL)プロジェクトに関するもので、食料への権利、人権と多国籍企業、文化的権利、クリーンで健康かつ持続可能な環境への権利、表現の自由、平和的集会および結社の自由、人権擁護者の保護、農民および農村で働く人々の権利といった各権利分野を担当する8名の国連特別報告者らによって送付された。
  2. 書簡が言及している国際的な人権基準には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)、「経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約」(ICESCR)、および「国連農民権利宣言」(UNDROP)などが含まれている。
  3. JSWスチールに資金を提供しているとされる金融機関は、ANZ、Axis銀行、バークレイズ、BMOフィナンシャルグループ、BNPパリバ、シティ、CTBC銀行、DBS、ドイツ銀行、ファースト・アブダビ銀行、Groupe BPCE、HSBC、ING、JPモルガン・チェース、マシュレク銀行、みずほ銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード銀行、インド国立銀行、UBSの計22行である。書簡の例はこちら。これらの銀行はいずれも、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)」の尊重を掲げている。

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